本を読む

 新型コロナウィルス(COVID-19)感染症対策のため、チーム制の交代勤務になりました。職員を2チームに分け、両チームが別々の日程で出勤することで、出勤者の数を減らすとともに、どちらかのチームから感染者が出ても業務を続行できるようにするためです。それに従い、わたしも在宅勤務の日が発生しました。

 

そのほかの日も用事がほとんどキャンセルになって、家に引きこもることが増えました。まさに STAY AT HOME。時間ができたので、久々にじっくり本を読むことにしました。じっくり本を読むって、なかなかいい感じ。

このご時世、何か感染症に関係した本を読もうかしら、と思い、3点ほどピックアップ。

今日はそのご紹介をいたします。

 

まずイチオシは「夏の災厄」(篠田節子著)。1995年、まだ携帯電話もなかったころに書かれた作品です。この作家の作品が好きで、文庫になってすぐ読みました。

新型日本脳炎が埼玉県のある市で突然猛威を振るい始めます。25年も前のものなのに、ここで書かれていることは今起きていることを予見していたかのよう。

そしてわたしがこの作品をイチオシするのは、スーパーヒーローがいないから。登場人物は市の職員や非常勤の看護師(当時は「看護婦」だった)、町の診療所の医師など、普通の人々です。彼らがボヤキながら、職務だから、義務だから、と自分たちのやるべきこと、できることをやっていく。20数年の間に何度も読み返し、今回もすぐ取り出しました。

 

そして2冊目は「ペスト」(アルベール・カミュ著)。言わずと知れたカミュですね。発表は1947年。翻訳が昔のものなので少々読みにくいかもしれません。

アルジェリアのオラン市でペストが発生し、市は完全に封鎖されます。まるで中国の武漢のように。出ることも入ることもできなくなった街での出来事をある人物が記録した、という設定。

これも古い作品ですが、そこに書かれている感染者の隔離、家族の一定期間の隔離、遺体の扱いなどは今起こっていることと同じです。そしてそんな状況のなか人々はどう感じ、どう考え、どう行動したか。人間劇が繰り広げられます。

 

最後3冊目は「首都感染」(高嶋哲夫著)。2010年の作ですが、これこそ予言の書かと思わせる内容です。まさに人類の生き残りを賭けた闘いです。

中国から発生した強毒性の新型インフルエンザが、たちまち世界中に感染拡大。日本では水際で防ごうとしますが、すり抜けが起こり東京で感染が拡大していく。そしてついに首都封鎖・・・ ここではスーパーヒーローが大奮闘します。さらに、総理大臣のリーダーシップが素晴らしいのです。どこかの国のトップに読ませたいくらい。

 

3作ともにそれぞれ読みごたえがあり、面白いです。おススメです。

いろいろ感じます。考えます。学びます(かな??)。

う~ん、やっぱりじっくり本を読むって、なかなかいい感じ。